Soma Kimura / 株式会社Irreplacebale創業者(東京・日本)

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ぼくは、初めてカナダについてから、しばらくダウンタウンで一番安い宿に二週間ほど泊まっていた。一泊なんと十ドルである。

そこのドミトリー(一部屋にいくつもベッドのある安部屋)には、日本人部屋があった。

同じタイミングで、同じ国の同じ街にいるのは、ある意味奇跡的だとも言えるが、それがいつでもいい出逢いになるかというとそうでもない。
日本人同士が海外で逢えば、それは意気投合することは少なくないのだけれども、もちろんウマが合わないことだってよくある。

マリファナと女の話しかしない集団の中で、ぼくが気の合う人はあまりおらず、部屋の居心地も悪かったので、
ぼくは連日夜のストリートに出かけては、バスキング(路上パフォーマンスのこと)してる人たちと話していた。
同室の日本人より路上生活者の方が話しやすかった。

友だちもできず仕事は決まらず、共用キッチンは小さすぎてだいたい空いていないので、ごはんも作れない。

早くここ出たいなあと思っている頃、ぼくの下のベッドにチェックインして来たのがソーマだった。

ソーマは、
1.初海外 2.英語話せない 3.無職
の三重苦で、このコアなドミトリーにいた。「よく来たな…」と正直ぼくは思った。

「いやぁ、もうマジで帰りたいっすよ…」

ソーマは来たばっかりなのにすでに帰りたがっていた。何となく自分に似ているので気持ちはわかる。このころぼくらはだいぶ「落ちる」時期だったのだ。

それでもソーマにバックパッカー旅の話をすると目をキラキラさせて「俺も旅したいっす!」と言っていた。

心やさしく、まっすぐで素直で、憎めない男だ。
そういえば彼はバンクーバーを出たあと、他の町のマクドナルドでバイトしていた。それで好きな子が出来たけどふられて泣いたとかそんなエピソードも…(あ、この話してもよかったかなぁ)

そしてカナダを出たあと、実際にアメリカ、南米、ヨーロッパ、アフリカ大陸に足を踏み入れることになる。おそらくこの間ソーマはいろんなことを考え経験したのだろう。ヘビーなダウンの後はアップが来るものだ。

帰国後はまた色々な活動をしている彼。

今後の動向がいつも楽しみな男だ。