Kengoroo /路上パフォーマー(世界各地)

 

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六年ほど前マレーシアであった旅人に「パースに行くなら『シェビオット』っていう宿が安いよ」という話を聞いたので、ぼくはオーストラリアでは主にこの『シェビオット』に泊まって生活していた。

ケンゴはその『シェビオット』にいた。(ペンネームの「ケンゴルー」とはオーストラリアにいたときカンガルーの英語kangarooの発音がケンゴルーに似ていたことによる)

世代も近かったし、ぼくと同じように東南~南アジアを回った後オーストラリアに流れ着いていたので、初めからケンゴには親近感があった。

彼は自分の中に「自由を求めてめちゃくちゃやってしまいたい」という部分と、それと正反対のすごく繊細で真面目な部分を内包する性格だった。それは彼自身の中で、たぶん何かしらを求め続けていたがゆえの状態だったと思う。よく悩んでいたが、ワハハと笑いながらそれを対外的にはごまかしているような男だった。

ケンゴはそのまま旅の途中で、バスキングに出会った。バスキングとは路上パフォーマンスのことを言う。

バスキングは彼にとっては楽しいものであったが、同時に修行のようなものだった。人前でパフォーマンスして、道行く人からチップをもらい生活する。

オーストラリアをはなれてそのまま

バスキングをしながら旅を続けていた。

もう何年だろうか。ほとんど日本にいない。

ヨーロッパなどチップの良い場所でパフォーマンスをして蓄え、寒くなれば南の国へ移動するという生活を何年も続けている。

数年後、共通の友人の結婚式でぼくは彼と再会した。そのときおそらく彼の中で「自由を求めてめちゃくちゃやってしまいたい」という要素はかなり大きくなっていた。

それはこれまで何かに呪われていたような部分と決別した、すがすがしい自由を得た、そういう感じがした。

さて、彼は数年間やってきたバスキングを、現在休んでいるという。なぜケンゴはそれを辞めたのか。いまはどこにいてどこに流れ着くのだろう。

放浪のバスカーケンゴルーの”Good Life”は十二月二日公開です!お楽しみに。