Maiko Miyauchi / ダンサー, 振付家, モデル, 俳優(カナダ・バンクーバー)

もともとぼくはダンスには興味がなかった。
バンクーバーにいるとき、そこで知り合った人のダンスのショーがあるからというので、そのとき初めて「コンテンポラリーダンス」というもののステージを見に行った。
そのダンサー、マイコさんはもうカナダでダンサーとして十八年くらい暮らしている。もともとはバレエを踊っていたが、カナダに来てヒップホップなど色々なジャンルの踊りを学び、今はコンテンポラリーのダンサーとして生活している。
コンテンポラリーとは「モダンな」というような意味に近く、「クラシック」とは対をなす言葉である。ぼくがこれまでに触れたことのない世界だった。
彼女たちのダンスカンパニーはthe responce.といった。
率直な感想と言えるかは分からないが、
the responceのダンスを見ている間、ぼくは涙が止まらなかった。
感動とも少し違う、悲しいわけではない、自分でも理解できない感情であった。
マイコさんにその話をすると彼女は「hahahahaha」と笑う。
「私の日本語おかしいから、インタビューにしてよ。日本語も直しといてねえ」
明るくて、優しく、おっとりとした人である。現在は彼女自身が共同ディレクターを務めるOURO Collectiveというカンパニーを立ち上げ、さまざまなジャンルのダンスを演じている。
マイコさんの周りの人たちは有名な芸術のキュレーターだったり、アパレルブランドのヘッドデザイナーだったり、それこそ北米では有名なダンサーだったりするわけだけれども、彼らに共通しているのは、誰一人「偉そうな感じ」とか、「とっつきにくい雰囲気」とかなく、気さくで優しい人であること。
彼女のように自分の生み出す芸術の世界で生きている人が、果たしてどれほどいるのか。
マイコさんのGood Lifeと考え方に、ぼくは刺激されっぱなしである。
彼女たちの活動にも注目したい。まずはコンテンポラリーダンスって何?別に興味ない
という人たちに、彼女のムービーをぜひ見ていただきたい。みなさんの中にある何かがゾワゾワするのが感じられるだろう。