Takafumi Amano / フォトグラファー(愛知・日本)

Photos©Takafumi Amano 2016
バンコクのカオサンロードに夜行バスで辿り着いたのは早朝3時半。この時間からチェックインするのもあれなので、とりあえずぼくはそのままマクドナルドで仮眠をとり、明るくなってからフラフラ辿り着いた安宿に転がり込んだ。
昼過ぎ頃まで寝てしまい、下に降りると日本人の数人がプラスチック製の椅子を丸く並べお喋りしていた。どうやらここは日本人宿だったらしい。
タカフミとはそこで出逢った。当時彼は長髪だった。
路上の美容師にドレッドにしてもらっていたりしたが、その後彼らしい旅を取り戻そうと思ったのかも知れない。
すぐ編み込んだ髪の毛を剃り、坊主にしてバイクと自転車で東南アジア3000キロを走りにいった。
それからちょうど1年後のこと。
ぼくが旅を終えて帰国し、夜勤生活をしながら、日本の逆カルチャーショックの洗礼を受けていたある日のことだ。
タカフミは突然ぼくの前に現れた。ぼくがどこの町に住んでいるかも知らなかったはずなのに、彼はなんと、ぼくの職場から五分のところに来ていたのだ。そこでぼくらは再会したのだ。
「いつもいい刺激をありがとう」
タカフミはいつもぼくに言うが、ビリビリと刺激してくるのは彼の方だ。
例えば、彼に出逢わなければ、ぼくはカメラを始める事はなかった。
タカフミはぼくらと同い年の一九八四年製のニコンを連れていた。それに憧れてぼくも再会の翌月くらいにニコンを買った。
その風景の中にいる彼の心音を吹き込んであるとしか思えない、生々しく、不粋さの無い美しい写真は、
彼の紳士的な性格をストレートに表現している。ぜひご覧いただきたい。
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愛知県を中心に活動している。不定期で写真展。岡崎市のカフェカシータのよこのフォトブックを手がける。
(FLOPS & LINES二号の表紙は彼の作品です。)