#26 牧のうどん

ぼくは数年前の思いつきで本をつくっている。

先日、友人たちと博多で会った。

ぼくの希望で、牧のうどんでその三人と昼飯を食う。

 

「先生がこういう声かけしてくれたおかげでなんか、イベントとかで、新しい出会いとかもあったし。そういうのすごい感謝しとる。」

ミタライコウが言った。コウはもともとぼくが塾のバイトをしていたときの生徒だから、そのときからもう十数年経った今でもぼくのことを先生と呼ぶ。

 

「僕も、もともとこういう本とかzineとかつくることで、仕事につながったりとか、そういうのを考えてきたわけだし、一旦の夢というか、目標のようなものは叶った感じがしてます。」

FLOPSのデザインをしてくれているダイキくんが言う。

 

ぼくはごぼう天うどんとかしわ飯を頬張りながら、それを黙って聞いていた。

 

FLOPS & LINESは「欲しい人には送ります」と言っていて、昔の友達とか幼馴染とか、新しく友だちになった人とかがときどき「ほしい!送って!」と言ってくれるので、ありがたいなあと思って、送るようにしてきた。

夜な夜な手で折り、ホッチキス留めした冊子を封筒に入れ、ただ送るのでは味気ないからちょっと海外の新聞で巻いたり、フライトのタグを貼ったりしつつ、一筆を書き、最寄りの郵便局まで歩いて、少ない身銭を切って送る。

 

それでも本誌の感想を言ってもらえるどころか、「届いたよ」というメッセージすらもらえないことが多い。

 

それを、「ああ、自分の作品はその程度しか相手に響かなかったんだな」と思ってきた。

ないしはぼくの人間性の問題。

 

そういうことは少なくなかったものだから、自分のやってきたことの意味をあまり感じてきていなかったので、

 

彼らの言葉を聞いて、人の人生に何かしらのプラスや、良い導きが与えられたんだなと思えて、

とにかく、

すごく嬉しかった。

 

懲りずに一冊一冊丁寧にやり続けることだ。

28/08/18